aketo-bonのブログ

盆栽についてダラダラと書いてみました。

盆栽って? 〜好きを仕事にする⑥

盆栽の展示会

 

今年は残念ながら春の展示会がほとんど中止となってしまい寂しかったですね。

盆栽初心者さん、盆栽の展示会なんてどこであるの?と思うかもですが、結構たくさん開催されているのですよ。地域の愛好会の展示会なら10席から20席ぐらいが展示され、その横で即売コーナーがあって、愛好家さんたちがずっと盆栽の話してます。盆栽園以外だと駅近くの公民館とか植物園、大きめの公園などが多いです。

 

日本最大級の展示会といえば、東京上野で2月に開催される国風盆栽展です。世界中の愛好家さんが観に来られる盆栽界のビッグイベントです。世界最大級と言ってもいいです。

 

最近よく聞くのが、なんで小品やミニ盆栽は国風にすくないの?という疑問。私なりの考えでは、国風の展示会は日本各地から集められた凄い盆栽の展示会であるから、という答えになります。この「凄い」は、誰が観ても凄いと感じれる盆栽、初心者の方はもちろん海外の愛好家さんから観ても凄い盆栽であること。

じゃあ、盆栽の凄いって何?というと、古さが重視されます。大きい盆栽は樹齢100年以上クラスがある一方、小品はというと若くなります。ミニはさらに若いですよね。

ただ人気はあるので、あの数でも国風の中での席数は年々増えてきています。

 

スポーツでも重量別があるように、小品ミニにもその舞台があります。それが1月に京都で開催される雅風展であり、各雅展です。

最近雅風展は席数が減っていますが、各地で開催される雅展は盛況です。特に関東の秋雅展はレベルもどんどん上がっていい感じですね。

雅風展も国風みたいに審査をしたり、数年に一度のオリンピック的な展示会(各雅展の優秀作品のみが展示できるとか)にすると面白いかも。

 

また色々な展示会に行けるのを楽しみにしております。

 

盆栽って? 〜好きを仕事にする⑤

海外の盆栽

 

時々、盆栽を海外に送りたいという問い合わせがあります。結論から言うと、ほぼ無理です。

 

個人から個人へ送る場合で可能な国は台湾などアジア数国のみです。ヨーロッパ、北米、オセアニアは業者同士でないとできませんし、色々規制があります。

 

なぜ盆栽、植物を送るのがそんなに難しいかというと植物防疫の問題があるからです。外国から今までなかった虫や植物の病気が来ることを防ぐ大切な法で、自国の農産物を守ることに繋がります。

 

では盆栽が海外に流出してないかと言えば、めちゃくちゃたくさん毎年輸出されてます。今では盆栽園でも英語を話せる人も多いし、海外からも業者さんが買い付けに来ています。有名な小林先生や木村先生など頻繁に海外に指導やデモンストレーション、ワークショップに呼ばれておられます。

 

特にヨーロッパは盆栽の交流が盛んでイタリアにはお教室や展示会もできる大きな盆栽園もあり、レベルも高いです。定期的に日本から技術指導も行ってます。

 

アメリカも盆栽愛好家は多いのですが、輸入条件がとても厳しいので日本から輸出されている量はヨーロッパより少ないです。

 

個人で送れる国でも色々規制があるので、必ず植物防疫所に問い合わせし検査を受けてから送ってください。

土を全て洗い流し、布や新聞で包んで送らなければいけなかったりします。絶対何も対処せずには送らないでください。盆栽愛好家だけでなく相手国みんなに迷惑がかかります。

 

日本から無理に送らなくても、その国にある樹種を盆栽にしておられます。若い方も日本より多い気がします。

我々ももっと国内で盆栽普及を頑張らなくてはいけませんね。

 

盆栽って? 〜好きを仕事にする④

プロって?

 

盆栽のプロになるってどういうことかと言うと、ゴルフみたいにプロ試験はないです。盆栽園の園主もしくはそこで働いている、盆栽で食べていけているならプロということになります。自己申告に近いですね。

 

講師の資格はありますが、みんなが取得している訳ではなく、盆栽教室の先生を頑張りたい人はよく取得されます。

 

優劣という話になると難しくなります。なぜなら、みんな得意分野が異なるから。

お手入れが上手い人=良い先生ではないです。他の趣味でもよくありますよね。

盆栽のお手入れが上手い人って、小さい頃から盆栽を見てたり、美的センスが高かったり、バランス感覚が良かったりします。もちろん長年色々な樹種を大量にお手入れをすることでも技量はあがります。でもずば抜けている人って、「分からないが、分からない」勉強と一緒です。だから教えることが苦手な場合が多いです。

凄いお手入れができなくても基本をしっかり理解している方は教えるのが上手です。自分のレベルにちゃんと合わしてくれる先生が良い先生。初心者向けの先生は盆栽の楽しさと基本を、徐々に詳しく習いたくなったら違う先生を探したらいいと思います。

 

好きな樹種はたくさんお手入れするので得意になります。プロもみんな得意な樹種があります。松柏が得意な人、皐月が得意な人、もみじが得意な人、素材を作るのが得意な人、整姿が得意な人、弱っている樹を治すのが得意な人、鉢にとても詳しい人、みんな盆栽のプロです。みんながオールマイティではないことを覚えていてください。そしてプロは日々研究しています。盆栽の技術もまだまだ進化途中なのです。

 

また地域によっても育ちやすい樹、育ちにくい樹があるので、その園がある土地に合った樹種は得意になるし、育てにくい樹は触れる機会が少ないので不得意になるでしょう。

 

自分と盆栽に対する考え方が似ているプロに出会えるとまた盆栽の楽しみが深まりますよ。

盆栽って? 〜好きを仕事にする③

盆栽園は愛好家の良きパートナー

 

盆栽園ってお花屋さんに比べてもの凄く少ないので行ったことない人がほとんどです。

埼玉や香川県などは市や県で盛り上げてるのですが、他の地域は田舎の方に数軒ある程度です。私も盆栽園で働いていると言ったら、お庭で樹に登るの?とか植木屋さんとごちゃごちゃに認識されました。バカ○ンのパパじゃなくて波○さんの方って言えば、なんとなく伝わりました(T . T)

 

盆栽園は色々なタイプがあります。簡単に言うと、その園ごとに得意分野や好みが違うのです。

まず大きさ別、大きい盆栽主力と小品ミニ主力では雰囲気が異なります。大きい盆栽主力のお店は老舗が多いですね。3代目とかざらにいます。小品ミニは愛好家さんから立ち上げてる場合もあるので少しカジュアルになります。

鉢が大好き、鉢に特化してるお店もあります。

皐月園みたいに樹種別の専門店もあります。

 

サイズ別とは別に、盆栽素材を多く扱う園と完成品を扱う園も違いますね。

素材が多い店は園主がお手入れ大好きタイプ、自分でもいっぱい増やしちゃうぞ、みんなお手入れしよう!って感じが多いかな。

完成品は、お茶でも飲んでゆっくり見てくださいね、ゆくゆくは展示会にだしましょう!百貨店みたいな優雅な感じ。

 

あとは生産頑張るタイプと販売特化タイプがあります。うちの養庄園は販売特化、素材多め、小品ミニ多めになります。

 

一軒の盆栽園に行って、ちょっと合わなくても何処かに自分と合う園がきっとあります。

色々見学に行ってみてください。

盆栽で働いている人って、もう春には肌が焼けて腕がマッチョで一見怖そうに見えますけど、おしゃべり大好きな人多いので恐れず話しかけましょう!

盆栽って? 〜好きを仕事にする

盆栽は自由である

 

これは私の想いです。

古くからある趣味なので難しいイメージが強いです。どんな趣味でも突き詰めれば難しくなりますが、みんながプロを目指すわけではないですよね。

 

趣味は楽しくないと!

 

盆栽の楽しみってひとつではないです。

鑑賞する、お手入れする、展示会にだす、買う、挿木や種まいたりして増やす、盆友と語り合う、盆栽園巡りをするなどなど。

 

時々、盆栽は自分で手入れしないとダメ!という方がいますが、できる範囲でいいと思うのです。なんなら鑑賞だけしておきたい!もいい。

みんなが楽しく盆栽をできるようにするために、園やプロがいるのです。

お手入れでも剪定は好きだけど植え替えはちょっと。。という人もいるし、お仕事忙しくて毎日の水かけが困難な人、家の置き場所に限界がある人、大きい盆栽好きだけど持てなくなってきたなど。好きなことでも悩みはでてきます。

 

その悩みをフォローできるのが盆栽園であったり、盆友です。これから盆栽を始めたいなあと思ってる方は気軽に相談できそうな園や愛好家さんを見つけることをおすすめします。

 

他の人の盆栽の楽しみ方を否定することはしないでほしいです。心の中でどう思っているのかは自由ですが、せっかく盆栽好きで出会ったのですからお互い楽しく続けたいですね。

 

私の嫌いな言葉

そんなん盆栽ちゃうわ!

 

こんなこと言う人は心の中でデコピンしてやりましょう。

趣味の世界で否定語は使わない。ちょっと子育てと似てますね(^^)

 

盆栽って? 〜好きを仕事にする

お久しぶりです。

コロナの影響で育児中心の生活も3ヶ月が過ぎようとしています。元々不器用な性格なので1つのことしか集中できず盆栽のお手入れはしておりません。こんなに盆栽触らなかったのは初めてかな。

 

子供の相手しながら考えることは多く、一度自分中の盆栽についてや経験してきたことを文字にしてみようかという気になりました。

 

まず『盆栽とは?』から

 

どの盆栽書籍でも冒頭にこのテーマがありますね。どれが正解って訳ではなく、盆栽に携わっている人の数だけ様々な考え方があっていいと私は思っています。いやいや真実はひとつだ!という人はもう宗派が違うので引き返してくださいね。またこれは私個人の考えで養庄園の中でもみんな少し違う考え方だったりします。

なんか独り言言ってるわぐらいの感じで読んでもらえると有難いです。

 

私の盆栽とは、園芸との違いとは

・自然をお見本としている。

・樹と鉢の調和

・古さ、歴史を重じている

・その存在すべてが鑑賞対象である

 

よく盆栽って針金で曲げたり切ったりして可哀想とか言われたことないですか?庭木でも園芸でも観葉植物でもガンガン切ったり曲げたりしてるのにね。

どうにでもできるかといって不自然に曲げたり切ったりしたものは美しいとは私は感じないです。あくまで自然の縮図を盆栽として形にするから盆栽は美しいと思います。

 

鉢は人にとって洋服みたいなものかな。

展示会ではパーティードレス、普段は機能性の高い服で元気に動く。元気がない時はゆったりとした服。

 

盆栽は古いだけでめっちゃカッコいいです。

古くなると幹にその表情が現れます。歳月の積み重ね、これまでどれほど人に愛されて育ってきたのか、それを自分たちが引き継いでいく。

盆栽は愛されてお手入れされてこないと美しい形を維持できません。古い盆栽はたくさんの人の愛情がつまっているから素晴らしいのだと思います。

 

他の植物の趣味と最も違うのが、全てが鑑賞対象であることです。

花や実だけを愛でるのと違い、葉、幹、小枝さらには根の一本一本までが盆栽の鑑賞対象です。なんならその枝ごとの空間までも愛でます。春夏秋冬ずっと愛でます。

盆栽という趣味は、人が自然、植物に対してできうる最大級の敬意の表れである。というのが今の私の盆栽とはです。

また何年後かには変わるのかもしれません。

それでいいと思います。盆栽は自由である。

お気に入り盆栽お手入れ道具

こんにちわ。

新緑で養庄園内がキラキラしております。

お花の華やかさとはまた違う鮮やかさが盆栽ならではだと思います。

 

今日は「この木、ちょっと根がおかしいかも」と思った時に便利な道具をご紹介します。

 

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千枚通しの太いのです。名称は分からないです😅

盆栽を始めた頃にいただいて、ずっと使ってます。 

使ってる様子の動画を載せたかったのですが、このブログではできなおようなので後ほどツイッターに載せます。

 

盆栽が弱る原因のひとつに根腐れがあります。

このことは少し盆栽をしてる方なら聞いたことがあると思います。その根腐れはなぜ起きるのか?

これもいくつか原因があり、その中のひとつをこの道具は改善することができます。

 

植え替えするときに、綺麗に根を捌かず芯(幹の下、根の中心部分)を長年そのままにしておくと、この部分の土は崩れドロになり詰まります。この詰まった部分には新しい根が出ず、根が腐っていきます。周りの土が新しくなっているので、そこには新しい根が出て、生きていくには何とかな状態になり、急に枯れはしませんが樹勢は落ちていきます。

幹近くの用土が黒くなっている、他よりよく雑草が生える、ゼニゴケがはえる、小枝が枯れるなどの症状がでてきます。

 

植え替え適期にこの原因に気付ければ、腐った部分を綺麗に取り除き、周りの健全な根を残して改善できます。

植え替え適期ではない時に改善したい時にこの道具の出番です。

 

まず表面の用土を出来るだけ取り除きます。

そして綺麗な用土を多めに幹近くを山のように足して、この道具を芯に向かって突き刺し、左右に揺らしながら、新しい土を流し込みます。

こうすることで芯に新しい土が少しでも入り、新しい根がでようとします。

 

次の植え替え適期には、芯の部分を綺麗にします。

 

長くなってしまい、わかりにくい点もあるかと思います。植え替えや根の処理は、考えれば考えるほど複雑で、悩むこともあります。でも盆栽を元気に育てるということは、根がとても重要です。これからも色々な植え替えとかをご紹介していきたいと思います😆